Tyagi | ||||
1992.05.29 | 言語:ヒンディー | 監督:K.C.Bokadia | 出演者:ラジニ、ジャヤプラダ、シャクティ.カプール、グルシャン.グローバー | |
感想: 字幕無しで見ました。タミル映画「Dharmadorai」(91)のリメイクです。 弟たちを都会で勉強させるため、借金をし、家や農園を失う長男シャンカルはラジニ(タミルではダルマ)です。 都会で悪の片棒を担ぎ成り上がっていく弟たち、次男シャクティはシャクティー・カプール、三男プレムはグルシャン・グローバーです。 次男シャクティの娘アンティ(バーギァシュリ)とアマル(ヒマラヤ・ダサニ)は大学で出会い、恋人になります。 それからアンティの父親、叔父に反対され2人で逃げ出すまでが「タミル映画のダルマドライ(以後タミルとします)」よりも丁寧に描かれてます。 この恋人たち2人の挿入歌は2曲あります。「タミル」には無いです。 アンティとアマルは結婚を反対され、車で逃げます。 それを、アンティの父親(ラジニの弟、次男シャクティ)の手下がバイクに乗って追いかけてきます。 「タミル」では、車のフロントガラスなどを棒で叩かれボコボコにされますが、 こちらは途中で車がエンストして止まり、二人は林の中へ逃ます。 すぐに手下たちに追いつかれ攻撃されますが、彼氏アマルは「タミル」ほどボコボコにされてません。 この後のラジニ登場は「タミル」と似ていて足元のブーツからで、映像の色合いが反転というのでしょうか? 写真のネガっぽいです。腰に挿した大きめナイフを投げるところも「タミル」と同じです。 ラジニは髭面ですが黒髪で白髪は無いです。 その後、アンティとアマル2人を保護して昔話になります。 ラジニと妻ジャヤプラダ(パールバティ)の挿入歌が、昔話に入るところにあり、当時の村での生活を説明してます。 曲の後のコメディも「タミル」と同じで楽しいです。 ラジニは弟たちのためお金を借りますが、そこでヒンディーでは書類にサインしてました。 字が書けるみたいです。「タミル」では拇印で文盲です。 ここでも「カバリ」の試合があります。「カバリ」は面白い競技ですね。 「タミル」では試合を見に来た偉い人とごたごたしますが、こちらではそれが無いです。 大学に行っている次男シャクティが女学生のスジャータ(スジャータ・メフタ)を強姦してしまいます。 そのため刑務所に拘留されますが、ラジニが被害女性に心から謝り、説得し示談に持ち込みます。 おかげで、シャクティは罪にならずスジャータと結婚します。この流れは「タミル」と同じです。 インドの法律や裁判は分からないですが、 90年代どころか今の日本でも強姦被害の女性は裁判になるとセカンドレイプといわれるくらい苦痛をともないますよね。 ただでさえ辛い思いをしてるのに、その相手と結婚なんて、ありえない! でも裁判も絶対辛いです。 日本だと処女でなくても普通に結婚できるけど、この当時のインドではダメだったのかしら? スジャータはお金持ちの令嬢みたいなので、そのへんの事情もあるかと思います。 まぁそんなこんなで、次男シャクティ結婚後、嫁スジャータと末弟プレムと実家に戻り、 父親(カーダーカーン)、ラジニと一緒に暮らします。 この暮らしが気に入らない次男シャクティは父親に反発し、都会で暮らすためのお金をラジニに要求します。 ラジニは弟たちを思い、家や農地を抵当に入れ金をかり、その金で弟たちは家を出ます。 家を出て都会に行った弟たちは、警官におわれる犯罪者を、偶然に助けます。 ここで密輸業者のボス、ドン・ダプラと出会い手下となります。 しばらくして、このボスを警察に売り、弟たちは巨額の富を得ます。 この密輸業者との出会いが「タミル」とは違います。 「タミル」では密輸業者のドンが使えそうな若者だと、弟たちに目をつけた感じでしたし、 取引の金塊を盗むのも空港で警察に取り上げられたと弟たちが嘘をついたものでした。 ヒンディーでは取引の最中に警官がやってきて逃げ出したけど金塊の入ったアタッシュケースは没収されます。 でも、没収された中身は石ころで、弟たちはドン・タブラと警察を両方だまして金塊を手に入れました。 ヒンディーのほうが話の流れとしてすっきりしてると思います。 村ではラジニがジャヤプラダ(パールバティ)と結婚します。 その結婚式に弟たちは来ません。次男の嫁スジャータだけが来ます。 話の流れは「タミル」と同じですが、この時に弟たちはカードゲームで賭けをしている映像が入るので、 ヒンディーのほうが弟たちのクソッぷりがよくあらわされてます。 ラジニは弟から招待状をもらい都会に住む弟たちに会いに行きます。 タミルでは、一番下の弟がアメリカに留学するためのパーティへの招待状で、次男の嫁から送られたものでした。 ヒンディーでは字幕が無いので詳しいことは分かりません。 都会に出てすぐ一番下の弟が密輸業者のボスの手下に殴られているところに出くわします。 この時のラジニの服装が、多分、田舎者の笑えるものだと思うのですが、 ラジニファンの私としては、何を着てもかっこよく見えるのですよね。 サーリーを着たラジニも大好きですもの! で、密輸業の手下をラジニが追い払うのですが、「タミル」と比べるとおとなしいアクションです。常識的範囲内だと思います。 「タミル」は車で連れ去られ窓を割ったり激しかったです。それが楽しいのよね。 弟たちの家のパーティーでは、弟の嫁が用意したスーツを着てました。 ここでの歌も楽しく感じました(テンシャン♪)。 「タミル」でのラジニは、とても馬鹿にされてました。 この夜、弟(次男)がナイフで襲われ、反対にそのナイフで殺します。 「タミル」では3男が殺害の実行犯です。 ラジニは弟の身代わりになり、殺人犯となり刑務所に送られます。 タミルよりヒンディーのほうが、自主的にナイフを受け取ったように思いました。 殺害目的で家に侵入した人を殺した罰として、刑務所に何年も入るのは刑として厳しいように思いました。 日本だと過剰防衛になるのでしょうか? 私としては無罪とはならなくても執行猶予をつけて欲しいと思いました。 インドの法律は日本より厳しそうです。 ラジニが刑務所に入っている間、子供が生まれます。 面会に来た妻が抱く小さい息子にたくさんキスをするラジニが、かわいそうで感動します。 ラジニが刑務所にいる間、弟たちは実家に訪れ、ラジニが弟たちのためにした借金を抵当に入れた家や農地を売って清算します。 その後、家を失ったラジニの妻は息子(5歳くらい)と一緒に仕事を探して都会に出ます。 ラジニの妻が目を放した隙に、息子はラジニの弟(3男)を見かけ石を投げます。 怒った3男は子供を追いかけますが、子供は逃げた先で車に引かれて死んでしまいます。 「タミル」では3男の飼い犬に追わせていました。 ラジニは出所して、妻を捜し、お金持ちの家で下働きをしている妻を見つけます。 これまでの弟たちの仕打ちに腹を立て、弟たちをボコボコに殴りますが、弟の嫁達が許しを乞い、受け入れます。 ここで昔話が終わります。 この後、 弟たちの密告によって刑務所に入っていた、密輸業者のドン・タブラが釈放されます。 ドン・タブラの手下によって弟たちは連れ去られ、弟の妻たちがラジニに助けを求めます。 弟たちを助ける場面でのアクションは楽しいです。 拳銃で腕を撃たれ、ガラス瓶を割って銃弾を取り出すところは「タミル」と同じでした。 弟たちが台車に乗せられビルの上から落ちそうになる場面では、アマルも助けに入ります。 「タミル」では後半まったく出番が無いですが、ヒンディでは若い彼にも見せ場を作ってくれてます。 最後は弟たちが謝り、ラジニが許して終わります。 ただ、「タミル」の「ダルマドライ」もそうですが、主人公ラジニの心が分かる台詞がとっても大事な映画だと思ってます。 この映画は残念ながら字幕無しで見たので細かいところが分かりません。 字幕があったらもっと素敵作品と感じると思います。ラジニは、きっと良い事言ってると思う場面がいっぱいありました。 (2020/11/16) |