Sivaji The boss


Sivaji The boss
邦題(ボス その男シヴァージ)(2012年12月01日 日本公開)
2007.06.15 タミル語 DVD
英語字幕
監督:Shankar 出演男優:Rajinikant、Suman、Vivek
出演女優: Shreya、
音楽:A.R.Rahman
あらすじ:
シヴァージ(Rajinikant)は貧乏な家の生まれだったが、
親が苦労して教育を受けさせてくれたことで、
ソフトウェアエンジニアとしてアメリカで成功し、
お金持ちとなってインドへ帰ってきた。
そして、貧しい人々のために、
慈善事業として、先ず大学病院を建てようと考えていた。
しかし、大学病院などを経営するビジネスマンで、
政財界に顔がきくアディシェシャン(Suman)は
その考えに反対で、シヴァージを快く思わなかった。

シヴァージは、大学病院建設のための関係者や政治家から、
たびたび賄賂などを要求され、憤慨しつつも、
夢の実現のため、貧しい人々のためと思い、
お金を用意し、計画を進めていく。
結局は、アディシェシャンの策略により、計画は頓挫し
シヴァージは全財産を失ってしまう。

1文無しになったシヴァージは、
堕落した建設関係者や政治家、アディシェシャンと
再び対決し、夢の実現のため奔走するのだった。
感想:
チャンドラムキなどのパロディーや、コメディーが多く、
ミュージックシーンは豪華で華やかな娯楽作品です。
特に「Balleilakka」は良かったです。
ラジニを観て楽しみたい人には、とても楽しい映画だと思います。
ラジニの髪型が、80年代の七三わけだったり、90年あたりの髪型だったり、
坊主頭だったりといろいろ変化します。
ヒロインのシュリヤーは細身の美人でとても綺麗でした。

しかし、ストーリーはイマイチに感じました。
前半から中盤にかけては、メインストーリーが少し進展すると、
メインの進行にほとんど関係の無いラブコメディーが突然始まり、
それがだらだらと続くという展開が繰り返されました。
このラブコメディー部分があまりにも長いので、
シヴァージが夢の実現のために苦労しているはずが、
その苦労も緊張感もすっとんでしまうように感じます。

中盤の財産を失った後のリベンジでは、
ちょっとありえない、非現実的すぎる無理な展開だったように思います。
映画なので、非現実的でご都合主義でもある程度は良いのですが、
それが行き過ぎると、共感できずにさめてしまうと思います。
それに、たとえ大義名分があったとしても、
そのお金が脱税された汚いお金であったとしても、
脅しや暴力でお金をを奪うのはいかがなものかと思いました。
正しいことを行うためには手段は何でもいいのか?
正義はどこへ行ったんだと、だんだん腹が立ちます。
Annamalai」(92)や「Padayappa」(99)のように、
汗水たらして、頑張って働いてくれた方が良かったです。

終盤の脱獄のシーンは、
20年前の映画ならこの展開もあるかとは思いますが、
最近の映画としては脱獄方法が稚拙でした。
もっと納得できる良い方法を考えつかなかったのかと思います。

アクションはマトリクス、キルビル、カンフーハッスルあたりを意識してのことと思いますが、
CGやワイヤー、スロー早回しカット割りなど、映像技術の使いすぎで、
ここまで大げさにやりすぎると、面白いというよりはあきれてしまいました。
また、カーアクション(カーチェイスとはいえない)も、
ぶつかって回転して爆発といった感じで、スピードやスリルに欠けました。

シャンカル監督の前評判がとても良く、
2年も待たされたし、インド映画史上最大の予算とも聞いており、
期待がかなり大きかったただけに、この程度かと、がっかりです。
予算のほとんどは、ラジニのギャラとダンスシーン、CGで使い果たしたのでしょうか。
それらをのぞいたメインストーリーでは、たいしたセットで無かったように思います。

ラジニは、
前半はガムを口に入れるしぐさ、
中盤は、コインを投げてポケットに入れるしぐさ、
終盤ははげ頭をテケテケと指でたたくなど、いろいろなしぐさを何度も繰り返しています。
でも、タバコが使えないので仕方ないとはいえ、ガムではタバコほどかっこよくないし、
コインはポケットまでCGで飛んでるだけだし、はげ頭テケテケは笑えるだけなので、
いわゆる「ラジニ芸のかっこよさ」をあまり感じられませんでした。
そのため、何度も繰り返すこのしぐさにも、繰り返しすぎだよと嫌気を感じました。

また、「Baba」(02)くらいから衰えを感じてはいましたが、
ラジニもやはり年齢には勝てないようで、アクションやダンス等どうしても動きが鈍いです。
それを補うためとはいえ、CGなどの映像技術に頼りすぎに思います。
今回のようにCGで遊ばれているラジニよりは、生身で演じるラジニが観たかったです。
そろそろ年齢相応の、たとえばヒンディー映画の「Bulandi」(00)のような役を
演じているラジニが見たいです。

このDVDはイギリス製で、言語はタミル語ですが、
オープニングやエンディングロールの文字、背景の建物などの文字が、
テルグ語っぽかった(タミル語ではない)です。
オープニングの「スーパースター ラジニ」のアニメーションロゴや、タミル語での題名、
ラジニがシバジガネーシャンやカマラハーサンなどのまねをしているシーンがありませんでした。
気がついたのはそのくらいですが、他にもカットされている部分があるかもしれません。
(2007/12/17)
2012年12月01日に日本公開されたので、
12月06日、木曜日にシネマート新宿にて鑑賞しました。
その回は、300人以上入る劇場のところ、お客さんの入りは6〜7人程度でした。
その次の回も数人程度のようでしたので、平日とはいえ、とても少なかったです。

日本語字幕付きなので、少しは理解が深まり評価も変わるかと思いましたが、
DVDを観た時と同じで、やっぱりイマイチな印象でした。

ラブストーリー部分の展開が強引すぎるところと、
メインストーリーで目的達成のために、
賄賂や恐喝などの不正を行うというところが、やはり好ましくないです。
色々と濃すぎるせいか、映画の途中で少し飽てしまいます。
これらは、日本人の感性には合わないかも。。。

スーパースターであるラジニカーントそのものを前面に出しすぎて、
映画の登場人物の性格などがあまり伝わってこないのも問題かと思います。

私の持っているDVDではカットされていた場面、
スーパースターラジニのロゴや、
ラジニがシバジやカマルをまねているシーンを見る事ができたので、
それは嬉しかったです。
(2012/12/07)
評価 ★★☆☆☆ イマイチなストーリー。期待していただけに残念。
ラジニ度 ★★★★☆ スーパースターも年齢には勝てないです。
ダンス度 ★★★★★ ちょいワル王様!カッコイイです。
アクション度 ★★★★☆ 過ぎたるは及ばざるが如しです。

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