Lingaa


題名
2014.12.12 言語:タミル 監督:K.S.Ravikumar 出演者:Rajinikanth,Anushka,Shetty,Sonakshi sin
感想:
ダム建設と利権にまつわる話しです。字幕なしで観ました。
ラジニは、75年前の王様(マハラジャ)リンガーサワンと、その孫で泥棒のリンガの2役です。
監督がK.Sラビクマールで、「ムトウ」(95)や「パダヤッパ」(99)と同じのためか、
この「リンガ」もその当時の映画のような印象を受けます。
なので、ラジニファンの私にはとても楽しい映画です。
映画冒頭の「スーパースター」のロゴも、ダイヤのように輝いてワクワクさせます。

映画は、現在ソレイユ村にある巨大なダムの調査からはじまります。
ダムの検査官は、強度は十分で再建設の必要性は無いとしますが、
このダムを破壊し、再建設することにより富を得ようと考えている地元の議員、
ナガブシャン(jagapathi babu)の意に反したため、殺されてしまいます。
検査官は殺される時、ダム近くのシバ神を祀る寺院に、ダムの証明書を投げ込みます。
このシバ寺院は封印されており、ダムと寺院を建設した王様、
リンガーサワン(ラジニ)の子孫にのみ封印が解けるとされてます。
そこで、村長カルナカラ(K.Viswanth)の孫娘でジャーナリストのラクシュミ(Anushka shetty)は、
リンガーサワンの子孫で、孫のリンガ(ラジニ)を探します。

ラジニ登場ソングは華やかでとても楽しいです。
サングラスをくるくる回しながら車から降りてくるラジニを観るだけで「キャー、素敵!」です。
ラジニは踊るというより歩いているほうが多い印象をうけますが、ラジニの周りの人々が華やかに踊っています。
そして、若々しいラジニを観ることができます。
で、このダンスシーンは、警察の拘置所内にいるリンガ(ラジニ)の想像です。

音楽が終わると牢屋の中というパターンは、昔のラジニに映画によくあるので、これだけでも楽しいんです。
この監督は、ラジニファンの心理をよくわかってらっしゃると思います。

リンガ(ラジニ)は泥棒で、警察に捕まっているのをラクシュミが見つけ釈放させ、
ソレイユ村に来るようにお願いします。
しかし、リンガは、貧乏になったのは祖父が散財したせいだと怨んでいたので、最初は断ります。

リンガと泥棒仲間達は、ホテルにある豪華なネックレスを盗もうとします。
警備員も配置されており、セキュリティーも強固ですが、
警報装置や、火災報知器の誤作動などを利用し、首尾よく盗み出します。
ここでの、ラクシュミとリンガのコメディーも楽しいです。

ラクシュミとリンガのラブソングでは、ラジニは海賊の船長やウエスタン、スターウォーズっぽいSFと、
色々な衣装や場面で楽しませてくれます。

リンガはネックレスを盗んだことで警察に追われるようになったので、ダムのあるソレイユ村に行きます。
ソレイユ村で大歓迎されるリンガですが、
封印されているシバ寺院に宝があると知るとそれを夜中に盗もうとします。
しかし、シバ神のご神体にヘビ(コブラ)がいて、リンガは手を出せないでいます。
そのうち警備員に見つかったため、シバ神にお祈りをし、お寺を開くことで、乗り切ります。

ラジニがヘビを怖がる映画は過去にいくつかあり、
Thambikku Entha Ooru」(84)や「アンナーマライ」(92)、「ムトゥ」(95)で見ることが出来ます。
このせいか、ヘビ(コブラ)が出てきただけで、私はくすっと笑っちゃいます。

このあと、75年前のダム建設に貢献した偉大な王様リンガーサワン(ラジニ)の話になります。

英国植民地時代、ソレイユ村は洪水と渇水で飢餓にひんしてます。
リンガーサワン(ラジニ)は、村を視察するため汽車に乗っており、そこで盗賊に襲われます。
ここで、ラジニはクリケットのバットや赤い長い布を使って盗賊と戦います。
汽車の屋根の上でのアクションはスローすぎてとてものろのろしてます。
でも、ラジニの汽車でのアクションというだけで、私には楽しいんです。
汽車アクションつながりで、「Murattu Kalai」(80)が見たくなります。(^^)

リンガーサワンは国にダム建設を申請しますが、英国人官僚のロレンスに反対されます。
そこで、リンガーサワンは自力でダム建設に乗り出します。

リンガーサワンは王様(マハラジャ)で、宮殿で誕生日パーティが行われます。
この宮殿での様子はとても豪華で素敵です。王様ラジニが見られるだけで幸せな気分です。

ソレイユ村の人々もダム建設に協力し、
リンガーサワンを手伝っていた村の娘バラティ(Sonakshi Sinha)はリンガーサワンに恋をします。

バラティとリンガーサワンのラブソングは、
孔雀の羽の扇や、インドの伝統的な衣装、宮殿など、華やかなものです。
現代的なミュージカルシーンも良いですが、
このようなインドらしい雰囲気のある場面はとても好きです。

英国人のロレンスは、リンガーサワンもダム建設も気に入らないので、
失敗させようとしますが、結局ダムは完成します。
また、ロレンスの策略により、
ダムに水没する土地を持つ村人に約束されていた代替地が無くなろうとするのを防せごうと、
リンガーサワンはその土地を買うため、全財産を失います。
しかし、村人からは土地を奪った裏切り者と思われてしまい、村から追い出されます。

村から追い出される場面では、雨が降っており、言訳もせずに立ち去るラジニは、
ヤジャマンに屋敷を追い出される「ムトゥ」(95)を思い起こさせます。

その後、リンガーサワンが正しかったことを知った村人達は彼を探すため、
何箇所か宮殿を訪れますが、この建物がどれも素敵でもっと見たかったです。
そして、貧しい暮らしをしているリンガーサワンにたどり着き、
村にもどるようお願いしますが、断られます。
このときのラジニはとてもおだやかで、優しく、最高にカッコイイです。

ここで、話は現在のリンガに戻ります。
地元の議員ナガブシャンがダムを破壊しようと、気球に爆弾を積みラクシュミを人質にとります。
これをリンガがバイクで追いかけます。
この後のアクションは、バイクから飛んで気球に乗り移ったりして、やりすぎな感じ満載ですが、
ラジニは何でもできるチッティ「ロボット」(2010)になってると思えば楽しいです。
(2019/02/15)

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